神川輪業ブログ

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神川輪業スタッフによるブログ。自転車屋の日々を発信しています!

先日「ビッケグリ」のご注文してくださったお客さんから聞いた話。

 

 

近くの大型店さんで後子乗せ付電動自転車を試乗させてもらったそうです。

パナソニックの「ギュット・アニーズ」とヤマハの「PASバビーアン」を乗って、

スタッフの方(店長さん?)から説明を受けた時の事。

 

 

「ビッケグリはチェーンじゃなくてベルトを使っていて伸びるので止めた方がいい」

「そしてビッケグリは坂道も登らない(理由は?)ので止めた方がいい」

と言われ、試乗した2機種を勧められたそう。

 

 

お客さんも「えっ、それほんと?3人乗りできるんだから考えてあるんじゃないの?」

と思ったそうで、試乗できる当店へ。

 

 

試乗後、その話を聞いたのでビッケグリの特徴をある程度ご説明させていただきました。

「ベルトの伸び?そんな事はない、カーボン繊維のベルトなのでチェーンと同等です」

「あまりにも急傾斜を登る場合には、確かに前輪に駆動がかからなくなりますが、

この周辺の坂道は私が実際に走行確認しましたし、むしろパワーはあります」と。

 

 

ちょっとマル秘な情報ですがほら。

 

 

 

ちなみに私は電動自転車のチェーン破断による交換は結構してますが、

ベルト車(非電動含む)の破断による交換はまだしたことありません。

(BBやクランク交換のついでに交換したことはある。)

 

 

金属とゴム(だと思っているのかな)なら金属の方が強い!と言う訳ではありません。

一括りに「自転車店」と言ってもすべてのジャンルに詳しい人はあまりいない訳です。

迷ったり、疑問に思ったら何件か見て回った方が良いと思います。

 

 

先ほど男性からお電話で修理依頼がありました。

 

男性:「一輪車のパンク修理出来る?」

私:「出来ますよ」

男性:「じゃ、今から行くわ」

 

 

 

私:「・・・」

 

注)少し事実を脚色しました。

 

 

でもお盆休み中だし、「一輪車」って言ったら普通は

こちらを想像しますよね。

 

 

 

状態も悪く、タイヤ・チューブ共に交換が必要だったんですが

なんとかパンク修理出来ました。

 

 

早めの交換をお願いしますね。

 

 

一昨日昨日とお伝えいたしました「これであなたも品番マニア」

いよいよ最終回のヤマハ編です。

 

 

ブリヂストン「アシスタDX」、パナソニック「ビビ・DX」の同等機種をヤマハで言えば

「PASナチュラXL」、品番(ヤマハは「型式」という)はPA26NXL

 

 

では、こちらも品番の詳細を。

 

 

PA26NXLの「PA」は「PAユニット」の事。2014年頃までは「PMユニット」を採用

PA26NXLの「26」は「26インチ」の意。「24インチ」なら「24」となります。

PA26NXLの「NXL」は「ナチュラXL」の意。「ナチュラM」なら「NM」となります。

 

 

これだけですので簡単に思えるでしょ?

ブリヂストン編の最後に「ヤマハが一番理解しにくい」と書いたのにね。

 

 

実はこの簡単な品番がやっかいなんです。

PASナチュラXL(PA26NXLは今年のニューモデルですので問題ありません。

ロングセラーモデルの「PAS シティX」で見てみましょう。

品番はPA20CX、これが2017年モデルの品番です。

で、2016年はというとPA20CX。あら?

2015年もPA20CX。あらら。

 

 

他の機種はどうでしょうか。

PASミナ・・・2017年モデルは「PA26M」、2016年も2015年も「PA26M」

PASアミ・・・2017年モデルは「PA26A」、2016年も2015年も「PA26A」

PASワゴン・・・2017年モデルは「PT16」、2013年からずっと「PT16」

 

 

そう、ヤマハは年数や何代目かを表記していないので、

品番からは特定しにくいんです。

これ、販売店側は結構大変で商品管理するのに大体は品番を使用するのですが、

品番だけだと新型か旧型か分からない・・・(JANコード管理なら楽ですが)

シティXが来年も「PAユニット」を採用したらPA20CXのままでしょうね。

 

 

じゃあヤマハはどうやって年式を判断するの?となりますね。

ヤマハは「号機番号」という独特のナンバーで識別します。

※インターネット経由で確認しなきゃいけないので少し時間がかかる。

 

 

 

ユーザーさんにとっては、品番よりも号機番号の方が重要です。

故障して部品だけ取り寄せたい場合、号機番号だけ控えておきましょう。

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか、夏休み特別企画「これであなたも品番マニア」

他にもフレーム番号やバッテリーのロット番号など、まだまだ紐解いていくと

「なるほど~」ってのもあるんですが、それはまた別の機会に。

 

 

 

昨日はブリヂストン編をお伝えしましたが今日は「パナソニック編」

 

 

 

 

ブリヂストンの「アシスタDX」の品番は「A6DC37」でしたね。

パナソニックの同クラスモデル、「ビビ・DX」は「BE-ELD633」(26インチ)

と言う品番です。

 

 

「BE-ELD633」

 

最初の「BE」はあまり気にすることはありません。

パナソニックの人も「BE-」はあまり言いません。

以前は出荷時の状態が段ボール箱の状態(7部組)は「BE-○○○○」、

組車(9部組)は「KE-○○○○」を使っていたのですが、

カタログ上(保証書上も)「BE-○○○○」でした。

ボックスの「B」と組(完成)の「K」でしょうか。

 

 

ELD633の「EL」は「ユニット(モーター)」タイプ。

※現行は「ELモーター」、先代モデルは「ENモーター」、回生タイプは「EK」です。

ELD633の「D」は「DX」の意。「ビビ・EX」なら「ELE633」となります。

ELD633の「6」は「26インチ」の意。「20インチ」なら「0」となります。

ELD633の「最初の3」は「3段変速」の意。「5段変速速」なら「653」となります。

ELD633の「最後の3」は「ELD63」の3モデル目の意。

※初代なら「ELD63」、1回目のマイナーチェンジは「ELD632」となります。

 

 

ブリヂストンと違い最後の数字が年式を表しているのではないのですが、

パナソニック取扱いのある自転車店さんで慣れている方なら品番言っただけで

部品手配可能です。

 

 

ただ、ブリヂストンと同様、当てはまらないのもいくつかあります。

ハリヤは「BE-ELH242」が品番。

DXと同様な「式」に当てはめると「ELH672」となるはずなのに…

「ジェッター」もですが、スポーツモデルはフレームサイズ(シートチューブ長)を

品番に組み込んでますね。

「242」はシートチューブ長42cmの2モデル目と言う意味。(たぶん)

 

 

 

少し他の機種も見てみましょう。

3輪車の「ビビ・ライフ」はELR83・・・「R」がライフの事で、「8」は18インチ。

「ギュット・アニーズ・DX」はELMA032・・・「MA」がアニーズで、あとは簡単。

「モビファイブ」はELHF75・・・「HF」がモビファイブの事で、「7」は27インチ、「5」は5速

「ビビチャージ・A」はEKA63・・・「EK」が回生モーター、「A」はそのままですね。

 

DXの「D」は簡単ですが、モビファイブの「HF」は難しいですね。

「F」がファイブの意味ですよ。(先代のモビエイトがENHEなので)

今年発売の「BP02」なんてELZC63ですから「ZC」は何?ってなりますね。

 

 

 

さて、ここで余談。

カタログなどでは「BE-ELD633」と数字で終わるのですが、

上の画像のように実物の自転車には「T」などのアルファベットが付きます。

 

「T」は茶系

「R」は赤系

「S」はシルバー系

「V」は青系

 

というカラーナンバーなんですよ。

 

 

 

更に余談。

 

独立前に勤めていた会社の平均年齢が高かったので(聞き間違いも防げる)

「D」はディーではなく「デー」、

「T」はティーではなく「テー」と言っておりました。

 

「ティモ・DX」のELDTなら「イーエルディーティー」ではなく「イーエルデーテー」

となります。

カラー表記が「T2」なら「テーツー」ですね。

この使い方はパナソニックの人にも通じます。

 

 

明日(かどうかは未定)はいよいよ最終回のヤマハ編。

予習しておいてもいいですよ。

 

 

お盆期間中なので自由研究ネタを1つ。

 

 

大体の自転車(というか商品)には一般の方向けの「商品名」と

作る側・売る側向けの「品番」という2つの名前を持っています。

 

 

電動自転車の世界で例えばブリヂストンの「アシスタDX」、

26インチモデルの品番(ブリヂストンは車種略号という)は「A6DC37」

 

 

メーカーから正解を教えてもらった訳ではないけど、たぶんこういう意味。

 

A6DC37の「A」は「アシスタ」の意。「フロンティア」なら「F」から始まる。

※アルベルトも「AL」や「AS」と「A」から始まります。

A6DC37の「6」は「26インチ」の意。「20インチ」なら「0」となります。

A6DC37の「D」は「DX」の意。「ベーシック」なら「B」となります。

A6DC37の「C3」は「C301バッテリー(ヤマハ製12.3Ah)」の意。

※自社バッテリーは「B」、ヤマハユニットは「C」、パナユニットは「D」です。

※301というのは25.5V×12.3Ah=300Wh(ワットアワー)クラスの意味

A6DC37の「7」は「2017年モデル」の意。「6」なら「2016年モデル」となります。

 

 

ただ、当てはまらないのもいくつかある。

アシスタベーシック(26インチ)は「A6B16」が品番。

DXと同様な「式」に当てはめると「A6BD16」となるはずなのに…

 

 

リアルストリームミニ(20インチ)は「RS2C37」が品番。

こちらも「式」に当てはめると「RS0C37」となるはずなのに…

 

 

他にも「アシスタワゴン(AW1C37)」や「アシスタビジネス(B6UC37)」

「アシスタユニ20インチ(A2UC37)」など例外(というには多い)モデルもあります。

 

 

実は2~3年前まではヤマハユニットしかなかったのでシンプルな品番でしたが

自社ユニットに加え、パナソニック製も採用してきた辺りから複雑になりました。

 

 

パナソニック編(素直な品番の付け方)やヤマハ編(一番理解できない付け方)も

乞うご期待!