神川輪業スタッフによるブログ。自転車屋の日々を発信しています!
「PROTECTION 3」のタイヤはおススメしません
2021年10月2日先日夕方の帰宅中、東の空に虹が出ていました。
当然、写真を撮るのですが道行く人もかなり撮影していて
面白い光景でした。
自転車のタイヤ、車ほどの種類はないですが
例えば「26×1-3/8」というママチャリ等でよく使われるサイズでは
ベーシック、耐摩耗、耐パンク、電動自転車用など用途別で展開されています。
で、表題の「PROTECTION 3」というタイヤは「耐パンク」のジャンル
に該当するタイヤなんですが、まあこのタイヤほどデメリットが
メリットを上回るやつは無いんじゃないかと思うほど。
異物が刺さらないようにするための耐パンク層の厚みが3mm
ぐらいあるのですが、そのためにタイヤが異常に硬くなります。
※画像は「健康じてんしゃ店」さんから拝借いたしました。
耐パンクのベルトがあるタイヤはシュワルベの「マラソン」等が有名ですが、
マラソンはしなやかなベルトでタイヤのたわみも適度に残されています。
一方、「PROTECTION 3」はただ硬いだけ。
そして当然タイヤ自体も重くなるので漕ぎだしも…。
硬くて何がいけないかというと「空気圧の低下を判断しにくい」のです。
普段、自転車を使用して空気が抜けてくるとフワフワした乗り心地になり、
漕ぎも重くなると思います。
で、タイヤを押してみて凹んだら「あっ、空気抜けてる」と判断できるのですが
「PROTECTION 3」はタイヤを押してみても硬すぎるので、
「あれ、硬いから大丈夫」とホントは空気を入れなきゃいけないのに
誤判断してしまい、結果パンクに気付いた時には中のチューブがボロボロで
修理不可→チューブ交換となる事が多いです。
さらに、チューブ交換して数か月後にはまたパンクと悪循環が続きます。
これを防ぐには英式チューブを米式に交換し、圧力計付きの空気入れで
毎月しっかりと空気を入れる事が必要になってきます。
めんどくさいですよね~。
パンクに強いと思って買ったのにパンクしやすくなるんですから。
当店でのざっくり統計ですが異物が刺さってパンクするのは1割ぐらい。
残りの9割ぐらいは空気を入れなかった事が主原因のパンクですので
耐パンクの自転車なんて買わずに、2,000円ぐらいのちゃんとした
空気入れ買う方がよっぽど効果的です。
ちなみに、より凶悪な「PROTECTION 5」なんてのもありますし、
名前こそ違えど同様の「パンクに強い!」と謳っているタイヤは
要注意です。(1~2万円台の自転車に多いです)